南紀の沢と熊野古道を巡る旅へ
太平洋へとせり出す日本最大の半島、紀伊半島。深い森に豊かな水を湛え、古えの時代より滔々と続く熊野の流れ。
先人たちの信仰の軌跡に想いを馳せながら、ゆったりと熊野の流れを辿る
焚き火を囲み、悠久の時に想いを馳せ、自然に心を埋没させる沢登りと熊野古道の旅。
滝に迎えられ、山深き熊野の世界へと入っていく。
夜は火を囲み、まったりと
遠くに動物達の声を聞きながら
自分たちの気持ちも森にどっぷりと浸り、どこか野生に還っていくよう。
朝を迎え、さらに奥へと進む。
深山の奥にふっと現れる滝と淵。虹とともに。
本州最南端に位置し、低標高からこの時期でも沢を辿って分け入ることができる。
豪雪地帯とは異なる趣の深く豊かな沢。
澄んだ水の色もどこか違う。
遠い記憶を思い起こさせる淵の奥。
見つめていると吸い込まれそうになる程澄んだ翠。
岩と水と森が織りなす回廊を抜けて
陽の当たる石畳をゆく
突然目の前に現れる不思議な風景
瀞に映る秋の色。あたかも自分が空中にいるような錯覚に陥る。
日差しが水面を照らす。鏡のように季節を映し出す。
熊野の流れはどこまでも深く澄む
清流を辿って奥深い世界へと分け入り
身を沈める。
生きていることを実感する
豊かな時間でした。